[高橋志穂の北国いわてのスイーツ便り 4] 盛岡市の山間部、砂子沢地区にアロニアを求めて。−アロニアのスイーツ−
2019/10/25
盛岡市で栽培されている黒い果実「アロニア」とは?
岩手県盛岡市で栽培されている黒い果実「アロニア」。
北米原産のベリー系の小さな果実で、耐寒性に優れていることから、盛岡市で栽培されています。
ポリフェノールが多く、ブルーベリーやハスカップよりもアントシアニンが豊富だと言われているアロニアですが、実は酸味と渋味があり、生で食べるのには適さないとも言われています。
とはいえベリー系の果実。ジャムやジュースなどの加工を施せば美味しく食べられます。
少しずつ地元に浸透してきたアロニアですが、その果実が実っているのを見たことがある人はそう多くないと思います。
そこで、実際にアロニアの畑に行ってみたいと思い、盛岡市が主催する収穫体験ツアー「畑のお手伝いプロジェクト」に参加し、盛岡市砂子沢地区を訪ねました。
盛岡市砂子沢地区はどんなところ?
去る9月の上旬。砂子沢地区のアロニア生産組合を訪ねました。盛岡市の中心部から車で30分。砂子沢地区は、根田茂川が流れる山あいの集落です。
小さくて黒い果実がたくさん実っています。
腰にカゴをつけて、いざ収穫開始です。
この日は、埼玉県から来た体験者も。お庭でアロニアを育てているという斎藤さんは、アロニアをもぎ取って食べると「わぁ、このアロニアは美味しいわ」と喜んでいました。
生では食べられないと聞いていましたが、実際に食べて見るとけっこう美味しい味でした。
埼玉県より北に位置する盛岡。栽培に適しているということなのでしょうか。
実際に畑に来て、根田茂川や緑の生い茂る山を見ると、この地域の土壌に含まれるミネラルが、美味しさに大きく関わっているような気がしてなりません。
生産者とお話をしながら、無心になってアロニアを収穫しました。
収穫を体験すると、愛着もひとしおに
収穫が終わり、午後は選別です。
未熟なものや軸などが残っていてはいけません。集中力が要る作業です。作業小屋で生産者のみなさんと、あれこれ話しながらの選別はとても楽しいものでした。
選別が終わると、湧き水でアロニアを洗います。小さな黒い果実のひと粒一粒が、息を吹き返したかのようにツヤツヤと輝きます。その様は、まるで黒い真珠のようでした。
アロニアのスイーツを求め 盛岡の洋菓子店へ
盛岡市の「ブール・ドゥ・ネージュ盛岡緑が丘店」は、フランス菓子をベースに厳選した素材で作る洋菓子が人気の店。
生産者から直接仕入れる季節のフルーツを使ったスイーツもあり、店内で味わうこともできます。
ブール・ドゥ・ネージュ盛岡緑が丘店は、アロニアを使ったスイーツ「盛岡アロニア美人しょこら」で、盛岡市から「盛岡美味いもんアンバサダー」に選ばれています。
アロニアを使ったショコラ
アロニアは、酸味と渋みがあり、生で食べられないことはないけれど、加工に適している果実。
この、渋味こそポリフェノールが豊富な証拠なのですが、美味しいスイーツにするにはどうしたらいいのでしょう。
「盛岡アロニア美人しょこら」を考案した、パティシエの菅原淳司さんは、砂子沢地区で栽培されたアロニアを果実のまま仕入れて、冷解凍を3回繰り返し、渋味を抜いているとか。
そして、ベリーの風味を活かすために数種類のチョコレートで試作したと言います。
「せっかく使うのだからアロニアをたくさん使いたいし、味を活かしたい。敢えて種ごと使ってプチプチとした食感を出しました」と菅原シェフ。「ガトーショコラにすれば日持ちするのですが、ベリーの風味が消えてしまう気がして。少しレアな食感の方がアロニアらしさを出せると思い、蒸し焼きにしました」とも。
ベリーらしさを活かしたスイーツ
こうして、開発された「盛岡アロニア美人しょこら」。アロニアに2種類のフランス産チョコレートを使用し、ふんわり、とろりとした食感がたまりません。
なぜ、「美人」なのかというと、ポリフェノールは抗酸化作用があるから。盛岡産のアロニアを美味しく食べて、いつまでも美しくいたいものです。
「美人しょこら」は、冷凍で発送も可能とのことですので、お店にお問い合わせを。
冷凍アロニアは、盛岡市内の産直「サン・フレッシュ都南」ほか4店舗で販売しています。「盛岡手づくり村」のサイトから注文することも可能です。アロニアサイダーも人気だとか。
盛岡の砂子沢地区で栽培されているアロニア。ぜひ味わってみてはいかが。
ブール・ドゥ・ネージュ盛岡緑が丘店
岩手県盛岡市緑が丘4丁目7-30
TEL 019-681-3393
http://www.b-neige.net/
盛岡手づくり村オンラインショップ
https://www.rakuten.co.jp/morioka/