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『和菓子の“味・色・姿”から日本の文化を知る講座』レポート

『和菓子の“味・色・姿”から日本の文化を知る講座』レポート

2015/05/21

日本スイーツ協会では、2015年4月25日(土)東京都内にてイベント講座
『和菓子の“味・色・姿”から日本の文化を知る講座』を開催いたしました。
当日ご参加下さった、スイーツコンシェルジュの寺嶋菓誉子さんによるレポートをご紹介いたします。

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東京・自由ヶ丘にて、お菓子の文化を学ぶシリーズ『和菓子の“味・色・姿”から日本の文化を知る』講座が開かれました。

講師は、2002年全国菓子大博覧会でグランプリを受賞し、テレビ・雑誌などの取材をはじめ、和菓子技術講師として全国各地で講習会を開かれている、「お菓子のあとりえ」代表、宮澤裕通先生です。

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まず、和菓子の「味」についてのお話しから…
和菓子作りにおいて、お客様のニーズをどう捉えるかが重要、とのこと。
例えば蕨餅においては、今までのぷるっとした食感ではなく、どろっとして垂れるような食感のものにするなど、お客様の求めるニーズに合わせて和菓子は様々に変化を遂げてきました。

そして、「色」。
和菓子における着色は三原色の赤・青・黄。
通常は青はまず使わないそうですが、水系のものを表現するのに使うそうです。
淡白なものほど色も味も好まれる、とのこと。

三つ目は「姿」。
和菓子はなるべく表現を削ぎ落とし、抽象的にし、ストレートな表現はあまりしないそう。
欧米では紅葉は赤だったら赤一色、といった具合に仕上げるそうですが、日本は赤から優しい黄色、と綺麗なグラデーションをかけて作ります。こうしたところが日本独特の美の表現方法だと感じます。

後半は餡の作り方や栗の加工についてのお話しでした。
まず、餡作りにおいて当たり前というべき工程、「一晩水に漬ける」ということをしない、という概念を覆す話から始まり…

そして、糊化という現象についてご説明頂きました。
これは料理についても同じことが言えるそうで、おでんの大根で例えて頂きました。大根をいくら煮続けていても味は中まで染み込みません。しかし、2日目の大根は茶色く、中までしっかりと味が染みています。これは、一旦温度を下げることにより、大根が糊化の状態から解除されるからなのだそうです。50度の湯に野菜や肉などをつけてから調理する方法をご存知の方は、納得がいくと思います。

そして、本日供されたお菓子は上生菓子の「青梅」。

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普段見かけるような白とピンクの梅の色ではなく、こちらは鮮やかな緑色。ういろうに包まれた中身は黄身餡でした。

それから、続いて「味噌餡」。
先生が手で割ってみてください、ということで割ってみると、ポクッと割れました。良い味噌餡はこのように粘りが全くなく、さらっとしているそうです。
先生曰く、味噌餡が苦手な人は本当においしい味噌餡を食べたことがないからだ、とか。

最後に、今後の和菓子作りの参考になることをたくさん知ることができ、今回は大変有意義な時間を過ごさせて頂きました。宮澤裕通先生、本当にありがとうございました。

(SC000722 寺嶋 菓誉子)

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