Vol.17 スイーツを100%美味しく味わう方法①
2013/11/21
ひと口で私たちを幸せにしてくれる甘~いスイーツ。もちろん何も考えずに食べても十分美味しいのですが、「100%美味しく味わえているか?」と聞かれたら自信を持ってYESと答えられますか?
スイーツコンシェルジュコラムは「美味しい」がテーマということで、私自身のパティシエとしての経験と、 “味覚の授業”を通じて学んだことを踏まえて、今回は今までの記事と少し違った視点から「スイーツを100%美味しく味わう方法」についてお話してみたいと思います。
“味覚の授業”とは、味わうことの大切さや食の楽しみに触れる体験型学習のこと。フランスでは20年以上行われている取り組みですが、日本でも3年前から毎年10月に実施されています。私も昨年、この“味覚の授業”にスイーツコンシェルジュとして参加させていただきました。
昨年の“味覚の授業”の様子はこちら
この授業で子どもたちに伝えたのは「五感を使って味わう」ということ。
「味わう」というと舌だけで感じているように思われがちですが、「美味しい」と感じるために舌で感じる“味覚”が占める割合は、たったの5%(!)しかないのだそう。
「美味しい」と判断する五感の割合
・視覚……80%
・嗅覚……10%
・味覚……5%
・聴覚+触覚……5%
(1)視覚を使う
なんと「美味しさ」の8割は見た目で決まるといわれています!!
美味しいスイーツって、箱を開けた瞬間に「わぁ~美味しそう!」と思いませんか?
某パティスリーのシェフも「ショーケースで売れ筋のケーキになるかどうかは9割見た目で決まる」とおっしゃっていました。 “目で楽しませる”ことがいかに重要かということです。
100%美味しく味わうためには、まずこの8割を占める「見た目」を楽しみましょう。ショーケースに並んだ宝石のようなスイーツたちをながめて、どんなに美味しいスイーツかを想像してみてください。
※「オレンジとライムのムース」@マリーナ・ベイ・サンズ・ホテル/シンガポール
ほら、だんだん舌によだれが溜まってきましたね?(笑)その時点でもう、あなたの脳は8割方「美味しい」と感じています。
(2)嗅覚を使う
パティスリーの店内に足を踏み入れた瞬間からただよってくる、甘~い香り。それだけで幸せな気分になっちゃいますよね♪
風邪で鼻がつまっているとき、食事の味が全然分からなかったという経験はありませんか?「美味しい」と感じるのに嗅覚が占める割合は10%、実は味よりも重要なのです!!
スイーツをひと口含んだら、鼻からぬける香りをしっかり感じてみましょう。バターの芳醇さ、ナッツの香ばしさ、フルーツの爽やかさ――そのスイーツの持つ素材の魅力が香りにつまっています。ごくんと飲み込んだら、最後はその余韻もじっくり楽しんで。パティシエはその余韻まで計算してスイーツを作っています。
残りの2つのポイントは、次回「スイーツを100%美味しく味わう方法②」でご紹介させていただきます。
(SC000308 飯盛有希乃)