Vol.33 『美味しいとはなにか』
2014/11/04
「美味しい」と言われるお菓子は今までにたくさん見てきました。
「美味しい」と思うお菓子にもたくさん出会いました。
「美味しい」と言うと自然と笑顔になっています。
しかし、「美味しい」について考えたことはあまりありません。
考え出すと奥が深く、出口の見えない迷路に迷い込んだかのように、全くと言っていいほど答えが出てきません。
そもそも「美味しい」に答えはあるのでしょうか?
答えは「NO」。あるはずないのです。
味の感じ方は人それぞれ。
甘味、苦味、酸味、塩味、食感も、なにもかもが違います。
私が美味しいと思っても美味しくないと思う人は必ずいます。
もちろんその逆もありうるでしょう。
むしろすべての人が同じ感じ方だったら、面白くないですよね。
もしそうだったら、「美味しいお菓子はショートケーキです。それ以外は美味しくありません。」なんてことになって、ショートケーキしか店頭には並ばないかもしれません。
それでは作り手も面白くありませんし、私たちも選ぶ楽しみがありません。
「美味しい」に間違いはなくて、たくさんの人がいる中で、たくさんのお菓子がある中で、そのお菓子が自分にとって「美味しい」と感じたら、美味しいお菓子。一口食べて、あっと驚いて、にんまり笑顔になればそれだけで幸せな気分になります。それは作り手も同じで、「美味しい」のひとことが本当に嬉しく、どんなに大変だったとしても「作ってよかった」と笑顔になれるのです。
「美味しい」は考えるまでもなく、とても単純で誰にでも感じることのできる笑顔の魔法かもしれません。
もし、機会があれば自分の感じた「美味しい」を作り手の方に伝えてみて下さいね。きっとお互い笑顔になるはずです。
(SC000437 大宮司麻美)