【東京】「映画から学ぶ世界の食文化 Vol.2」レポート
2013/08/14
2013年7月28日に、料理ジャーナリスト、ヨーロッパ郷土料理・菓子・食文化研究家の並木麻輝子先生による「映画から学ぶ世界の食文化 Vol.2」を開催しました。
全3回シリーズのこの講座、1回目の「アメリ」(フランス映画)に続き、今回はイタリア映画の「向かいの窓」を鑑賞しました。
「向かいの窓」は、2003年に製作されたイタリア映画で、日本では2004年のイタリア映画祭で上映されました。前回の「アメリ」のように日本でブームになった映画ではありませんが、ストーリーが進み、並木先生の解説も聞いていくと、スイーツがひとつのカギになっていることがわかります。
途中、イタリアのケーキがたくさん登場するシーンでは映像を一時停止し、ひとつひとつ解説して頂きました。例えば、“クーポラ”という、パイ生地・スポンジ・カスタードを交互に重ねてドーム状にしたものや、“ボネ”という、砕いたクッキーをプリン生地に混ぜたものなど、日本では普段あまり見たことのないケーキもたくさんありました。
そして、今回用意したスイーツが“ボネ”。ボネは、ピエモンテ州の名物で、同じくピエモンテ州名物であるアマレッティ(アーモンドのクッキー)やマコロン(ひび割れたクッキー)などを砕き、あえて粒々感を残したものをプリン生地に混ぜたもの。チョコレート風味のものは“ボネ アル カカオ”と呼ぶこともあるそうです。イタリアでは、レストランのデザートとしてとてもポピュラーだそうですが、日本ではほとんど見かけません。
そこで今回は特別に、外苑前にあるイタリアンレストラン『Sento Bene(セントベーネ)』で“ボネ”を作って頂きました!
表面はつるっとしていますが、少し粒感のあるチョコレート味のプリン生地に、ほろ苦いキャラメルソースが良く合います。日本でもきっと流行りそうなのに、なかなか食べられないのがもったいないと感じられるほどでした。
そして、今回のもうひとつのお楽しみでもあった、並木先生によるヨーロッパ滞在レポート。7月上旬までオーストリアやフランスなどを訪問された際の、各地の食文化や郷土菓子などを写真とともにご紹介頂きました。数々のおいしそうなお菓子の写真に、参加された皆さんも、現地へ食べに行きたくなったのではないでしょうか。
さらに、お土産として、フランス トゥールーズの特産であるスミレのお菓子や、マカロンの元祖ともいわれるサンテミリオンのマカロンなど、大変珍しいものをご用意いただきました。
今回は日本未公開の映画でしたが、まだまだたくさんのスイーツにまつわる映画が各国にあります。
次回は映画講座3回シリーズの最終回。どこの国の映画になるか、また、どんなお菓子を試食するのか、どうぞ楽しみにしていてください!
(一般社団法人 日本スイーツ協会)