イベントレポート:トップパティシエによる三大細工セッション
2015/08/05
2015年7月18日(土)、スーパースイーツ製菓専門学校主催のオープンキャンパスイベント、「トップパティシエによる三大細工セッション」が開催されました。
スイーツコンシェルジュの皆様もご招待という機会に恵まれ、参加して参りました。
作品のテーマは「金沢」。
どのような作品が出来上がるのでしょう。楽しみです!
写真左からアメ細工担当・若林 繁シェフ、氷細工担当・山本 健シェフ、ショコラ細工担当・山本 隆夫シェフ。
トップパティシエ3名の皆様によって、アメ細工・氷細工・ショコラ細工の最高技術が披露されました。
このような技術を実際に目の前で見ることは初めての方が多かったと思います。
また、3作品を同時に見学できたことは貴重な経験となりました。
【氷細工】
氷細工は、この大きな氷の塊から作品を創作します。
これから、どのようにしてダイナミックな技術が披露されるのでしょうか。
作品を創作するとき、変わった道具を使います。
スイーツを作るための道具ではなく、
チェーンソーなどを使います。
山本 健シェフの解説では、製菓用ではないそうです。
全方向を確認しながら、削り方を考え、チェーンソーの刃を入れていきます。
神経を集中させて行わないと、
イメージと全く違う作品ができてしまうそうです。
緊張の瞬間です。
会場中、張り詰めた空気が感じられます。
この翼も大きな氷の塊から削り出しました。
山本 健シェフの解説では、
金沢から「鳳凰」をイメージしたそうです。
細かいところまで表現されていて立体感があります。
動き出しそうなくらい、迫力ある見事な氷細工です。
写真提供:スーパースイーツ製菓専門学校
【ショコラ細工】
山本 隆夫シェフの代表的な星空をイメージした球体パーツです。この大きさになると、型から離れない可能性が高くなるため、世界大会でも挑戦する方は、ほとんどいないそうです。山本 隆夫シェフが作ると、このように型から簡単に離れます。
各パーツを組み上げていきます。
土台部分はイメージ通りにできるまでが大変だったそうです。
傾かないようにバランスをとりながら、大きなパーツを接着します。
会場内が静まり返った一瞬です。
ショコラ細工の完成です。
壊れることなく完成し、緊張感から解放された、喜びいっぱいの表情です。
山本 隆夫シェフの解説では、
金沢から、 「金沢駅前の象徴的な鼓門」・「雪吊り」などをイメージしたそうです。
【アメ細工】
非常に湿気の多い日でした。アメ細工は湿気に弱いため、創作するのは大変です。
花びらを1枚ずつ接着して、花を作ります。
接着に使用するのは溶かしたアメです。
丁寧に、手早く、接着していきます。
実は難しいのに、いとも簡単に作ってしまう。
これが、若林 繁シェフの高度な技術ですね。
いよいよ、組立作業です。
アメ細工は壊れやすいため、慎重に組み立てます。
真剣な表情から緊張感が会場に伝わってきます。
アメ細工の完成です。
若林 繁シェフの解説では、金沢から「金箔」・「漆」・
「“和”から思いついた折鶴」をイメージしたそうです。
最後に集合写真を撮影!
悪天候のため、作品を創作するのは大変な様子でしたが、時間内に完成しました。
世界大会で競い合ってきた技術力の高さがよく分かります。
今回のオープンキャンパスをきっかけに、アメ細工・氷細工・ショコラ細工に挑戦しようと興味を持つ学生さんが増えてくるとよいですね。
アメ細工・ショコラ細工で使用する細かいパーツの作成は、難しく、地味な作業が多いです。
特に、アメ細工は少しの衝撃で粉々になることもあります。
ショコラ細工は、手の体温でパーツが溶けてしまうため、手早く組み立てる必要があります。
それでも、作り上げていく工程はとても楽しく、完成した時の達成感もあります。
失敗しても諦めず続けていくことで、難しいパーツを作ることができるようになっていくでしょう。
素晴らしい作品を創作してくださった若林 繁シェフ・山本 隆夫シェフ・山本 健シェフ、詳しい解説をしながら会場を楽しませてくださった並木 麻輝子先生、ありがとうございました。
撮影・執筆:grué de cacao(SC000003)