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Vol.18  スイーツを100%美味しく味わう方法②

Vol.18 スイーツを100%美味しく味わう方法②

2013/11/28

前回、「スイーツを100%美味しく味わう方法①」について書きましたが、今回は残りの2つのポイントをご紹介します。

(3)味覚を使う
味覚とは舌で感じる感覚のことで「甘味、酸味、塩味、苦味、旨味」の基本5味で構成されています。ラズベリーの酸味、クッキーにほんのひとつまみ加える塩、チョコレートの苦味、チーズの旨味・・・スイーツというと「甘いもの」というイメージがあると思いますが、ただ甘いだけではありません。
スイーツをひと口含んだら、どんな“味”がするのかしっかり感じてみましょう。
特に一流のシェフが作り上げるスイーツは、「甘味、酸味、塩味、苦味、旨味」の組み合わせやバランスが絶妙です。いかに上手くひとつひとつの素材の魅力を引き出し、かつそれぞれの味がケンカしないように融合させるか――そこがパティシエのこだわりであり、腕の見せどころ。「甘味」以外にもどんな味が絡み合っているのかを味わうことで、スイーツの奥深い「美味しさ」をより感じられるはずです。

(4)聴覚と触覚を使う
「聴覚と触覚」というと分かりづらいかもしれませんが、ひらたく言うと「食感」のことです。「美味しい」と感じるのに聴覚と触覚が占める割合はあわせて5%と少なく感じるかもしれませんが、実はスイーツの個性や魅力が最もあらわれる要素なのではないかと思います。たとえば・・・

プリン → 「とろ~りなめらかプリン」
スフレ → 「ふわふわ焼きたてスフレ」
シュークリーム → 「ザクザク岩シュー」

どれも後半のほうが美味しそうに感じませんか?

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とろ~り、なめらか、ふわふわ、ザクザク、どれも「食感」を表す言葉です。もし「ザクザク岩シュー」ではなく「とろ~りなめらかシュークリーム」だったら、全く別のスイーツになります。たったの5%ですが、食感がスイーツの大きな方向性を決めているといっても過言ではありません。
スイーツをひと口含んだら、どんな食感がするのかしっかり感じてみましょう。舌でとろけるムースのなめらかさ、しっとりとしたスポンジの歯ざわり、耳に心地よく響くサクサクという音――そこにそのスイーツの個性が詰まっています。

「美味しいスイーツを100%美味しく味わう方法」、それはつまり「五感をフル活用して味わう」ということ。慌てて飲み込んでしまってはもったいない!舌だけではなく、目で、鼻で、耳で、しっかりとそのスイーツを味わいつくしてください。
それから、100%の美味しさを楽しむためには、正しい管理をすることも大事。日が経った焼き菓子はバターが酸化して油臭くなったり、湿気てサクサク感が失われたり、常温で放置した生菓子は舌触りが悪くなったりします。適切な保存方法、賞味期限を守って、そのスイーツが一番美味しく食べられる状態にしてあげてください。

そしておまけに、味覚の授業で子どもたちが教えてくれたことをひとつ。

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授業では基本5味について学んだあと、私が作ったスイーツの試食がありました。みんな授業で学んだことを生かして五感をフル活用!「美味しい」といって食べてくれたのですが、「どうして美味しいって感じたのかな?」という質問に手を挙げてくれた子が、こんなことを言ってくれました。

「クラスのみんなで一緒に食べたから」
「先生が一生懸命作ってくれたから」

好きな人と一緒に過ごす時間と、作り手の想いを感じること――。
それは100%美味しいスイーツを「120%美味しいスイーツ」に変える魔法なのかもしれません。
パティシエはみんな、美味しく召し上がってくれるあなたを想ってスイーツを作っています。ぜひあなたの大好きな人と、スイーツを最高に美味しく味わってくださいね!

(SC000308 飯盛有希乃)

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