『日本の伝統文化を知る -和菓子- 』ワークショップ講座 開催レポート
2014/03/25
日本スイーツ協会では、3月15日(土)に3月のイベント講座
「日本の伝統文化を知る -和菓子-」ワークショップ講座を開催いたしました。
講師は、創作和菓子ユニット“wagashi asobi”を運営し、伝統に遊びを加えた新しい和菓子を作る新世代の和菓子職人として雑誌やテレビなどでも注目されている、稲葉基大さん。
まずは和菓子の歴史などについてお話し頂きました。和菓子は、人類の進歩とともに日本独自の文化と外国から入ってくる食文化などを融合させながら育てられてきました。中でも仏教やキリスト教などの宗教や、ポルトガルやスペインなど歴史的な背景も大きく影響しています。例えば、カステラはポルトガルからもたらされたお菓子がベースになっていますが、今日では和菓子のひとつとされています。
また、“和菓子”という言葉は、明治維新以降盛んになった“洋菓子”という言葉の対義語として生まれたとされています。
和菓子は、季節や歳時を表したものが多くありますが、その表現には地域性があるといわれています。例えば、練り切りなどの生菓子は、誰もが見てすぐにわかる花などをリアルに表現したものがある一方、俳句などに親しみのある地域ではそのままの形ではなく、色や形からイメージを膨らませたりひねりをきかせた表現となっているものが多いそうです。
和菓子についてお話し頂いた次は、皆さんの製作体験タイム!作るのは、春らしく桜の花の練り切。
グラニュー糖、上新粉、寒梅粉、白あんを混ぜた生地に、着色料は使用せずにいちご果汁で色をつけてあります。このピンク色の生地にこしあんを包み込み、成型していきます。
成型には通常は三角棒という道具を使用しますが、ストローをつぶしたもので代用できます。花びらを成型し、最後にストローの角を使っておしべ・めしべをつけたら完成!
また、木型を用いて成型した桜や、三角棒で桜を成型する技術を応用した菊も見せて頂きました。
続いて、“旅するひよこ”と名付けられたかわいらしいひよこの餅菓子を作って頂きました。こちらは、フランスでどうしたら和菓子を食べてもらえるか、というところから稲葉さんが考案したもので、オレンジジュースを使用しています。海外ではなかなかあんこが受け入れられにくいというところから、オレンジジュースやフランボワーズジュースなどフランスでも馴染みのあるものを使用して味のイメージがつきやすくしたとのことでした。
最後は、自分たちで作った練り切りと、特別にご用意いただいたドライフルーツの羊羹をご試食頂きました。このドライフルーツの羊羹は、“パンに合う洋菓子を“というところから考案されたもので、いちじくなどのドライフルーツとナッツがたっぷりで洋酒がきいています。一見驚くような組み合わせですが、くるみを使用したパン、あんパン、ドライフルーツを使用した焼菓子など、すでにある素材の組合せを応用した、というお話を聞くと納得の一品でした。
今回は、日本の伝統文化である和菓子の歴史や技術を知るとともに、時代に合わせたアレンジや家庭でも手軽にできる和菓子作りを体験できる講座となりました。
ご参加くださった皆さま、どうもありがとうございました!
(一般社団法人日本スイーツ協会)