スイーツコンシェルジュの資格認定・スイーツコンシェルジュ検定や各種講座を実施する「日本スイーツ協会」

[佐藤ひと美のスイーツレポート]産地別カカオの魅力を学ぶチョコレート講座

[佐藤ひと美のスイーツレポート]産地別カカオの魅力を学ぶチョコレート講座

2018/10/03

2018年8月25日、東京・日本橋「ル・ショコラ・アラン・ デュカス 東京工房」のご協力をいただき『産地別カカ
オの魅力を学ぶチョコレート講座』を開催しました。


産地が異なると、カカオ豆が持つ香りや味わいは違ってきます。
ボンボン・オ・ショコラで産地別に食べ比べながら、タブレットやデセールに加工した場合はどのように味わいが変化していくのかも体感し、用途によって異なる感じ方について味覚チャートを用いてディスカッション形式で行った約2時間の講座でした。


チョコレートについて
「日本市場におけるチョコレートの位置付け」のほか、「どのような工程で出来上がるのか」、「Bean to Barとは何なのか?」についても説明しました。今年は記録的な暑さが続きましたが、やはり気温の高い6月から9月中旬までは、チョコレート商品を持ち帰る場合に溶けやすくなってしまうため売りにくい。季節ならではの気温問題も発生しています。
また、他国との大きな違いとして、日本独特な文化であるバレンタイン市場がにぎわう1月・2月が年間のチョコレート売り上げを大きく支えています。
 

販売数の変化も、低価格商品はダウンする一方で、高価格商品の売上がアップしていることから、チョコレートの本質を求めている方が多くなってきたのではないかと感じます。
フランスでは、クリスマスからイースターの間でチョコレートが身近な存在です。特にイースターは、日本でも少しずつ認知度が増し、ブームの兆しを見せ始めています。子供と一緒に楽しめるエッグハントなどのイベントもあり、親子のコミュニケーションとしてイースターチョコレートが一役買ってくれると、日本のチョコレート需要も更に盛り上がってくれるのではないか思います。
 

産地別カカオの魅力を体験。
今回は3種類の産地(オーソドックスなペルー、マダガスカル、特徴的なジャワ)のタブレット、ボンボン・オ・ショコラ、ムース・オ・ショコラを実食していただき、それぞれカカオ豆が持つ味の特徴を比べながら自分の好みはどこに重点があるのかを体験していただきました。

もちろん、人それぞれ感じとる味覚は異なってくるので「これが正解!」というものはありません。
ディスカッションの時間でそれぞれ感じ取った特徴や、「コレが好きだった。」など感想を話し合う時間では、ノン・コンシェ(コンチング作業をしていないペルー タブレット)が一番好みだったという声を多くいただきました。
 

チョコレート製造工程の中で重要視されていた「精練(コンチング)」による香りや、風味のよいチョコレートにする均一化作業。「ル・ショコラ・アラン・ デュカス」では、あえて粒子を残したまま野生的な荒々しさと、結晶を残した食感のよい赤砂糖とのバランスをとる事により、コンチング作業をしなくても美味しいチョコレートを作る事は可能だと証明してくれました。このタブレットは、新しい表現方法の提示とも言えます。
 

また、一般的にフローラルな香りが特徴的で食べやすいと言われているカカオ産地である ペルーに対しても、酸味を強く感じられた方やマダガスカルの方が好みだという声もありました。
 

最後に
産地別の食べ比べや、使用用途によって異なる状態変化は、個人単位で実践するには難しい場合もあります。「講座で楽しむことができて良かった」との感想もいただき、今回講座を開催する事ができて良かったと思いました。
 

今後も、会員の皆様やスイーツコンシェルジュ検定に興味を持っている皆様に、楽しみ、喜んでいただけるような体験型イベントを開催していけたらと思っています。
今回ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。