【東京】「映画から学ぶ世界の食文化」レポート
2013/05/16
2013年5月12日に、料理ジャーナリスト・ヨーロッパ郷土料理・菓子・食文化研究家の
並木麻輝子先生をお迎えし、『映画から学ぶ世界の食文化』講座が開催されました。
今年、三回開催するこの講座。
第一回は「アメリ」でした。
「アメリ」は、2001年に公開されたフランス映画です。パリ・モンパルナスを舞台としたパリジャンの日常を描いた作品は、当時ブームとなった事を良く覚えています。
映画の中には、パリで生活する人々の様子が描かれている為、映画を見ながら食文化を中心に並木先生が解説を加えるというスタイルで講義が進んでいきました。
そして、今回用意されたスイーツは『パリ セヴェイユ』のクレームモル(クレームブリュレ)と大丸東京に店舗を構えるベルギーの老舗『メゾン・ダンドワ』のスペキュロス。
「アメリ」を見たことがある人は知っているかと思いますが、主人公アメリの好きな事の一つにクレームブリュレの上部のキャラメルの硬い層をスプーンで割ることというシーンが出てきます。
クレームブリュレは日本では、手軽にテイクアウトできる所も多くありますが、フランスではお店で食べる物。
映画を見ながらクレームブリュレを食べる皆さん、映画にならって、スプーンでカチカチと割って食べている姿が多くみられました。
そして、もう一つのスペキュロス。
映画の中にもちゃんと出てきます。セリフにもなっていますが、字幕ではクッキーと訳されているので、言葉を聞いていないと気付かない部分です。
隣人のお爺さんが、バンショー(ホットワイン)と一緒にスペキュロスをアメリに渡しています。
今から映画を方は是非注目してみてください。
スペキュロスは、オランダの銘菓でシナモン、グローブ、胡椒といったスパイスを入れた特殊なビスケット生地を木型に押し付けて型取りをして焼き上げる物。木型は、古くは色々な聖人や聖堂など宗教的なモーチーフが多かったそうです。今回は長方形のシンプルな形の物でした。
映画の中には、スイーツ以外のフランスの食文化を見ることができます。
アメリが働くカフェで注文される数々のドリンク、フランス人は好んで良く食べる鳥の丸焼きの話。パリを訪れた際は、カフェに入る方もいらっしゃると思いますが、ついつい日本でも馴染みのドリンクを頼んでしまう人もいるのではないでしょうか。
映画には出てこないのですが、ドリンクのお話の中で、並木先生からプチ情報もいただきました。それは、日本でも馴染みのある「リモナード」。レモネードが出てくると思ってしまいませんか?
しかし、フランスで「リモネード」を頼むとサイダーが出てくるそうです。
知らないときっとあれ?と思ってしまいそうですよね。
今回の講座では、映画を見ながら、途中解説を挟みながら、一人で見ているときよりも多くの発見ができた講座でした。
次回は、何の映画にするのか並木先生も検討中との事。
せっかくなので、次はフランス以外の国の映画でも、検討していきたいと思っています。
(一般社団法人 日本スイーツ協会)